動画を活用したマーケティングが広く導入される中、飲食店集客においても動画を活用する動きが活発になっています。その背景にあるのが「SNSの普及」です。
近年ではSNSを中心に情報収集するユーザーが増えており、とりわけ「10〜30代の女性」の多くが「趣味や興味のあることの情報収集」を目的としてSNSを利用しています(NTTドコモ モバイル社会研究所の調査より)。
そこでこの記事では、動画を活用した飲食店集客で欠かせない「シズル感のある動画」を活用するポイントをご紹介します。
飲食店動画の「シズル感」とは
「シズル感」とは、食材・料理を扱った広告などにおける表現であり、食欲や購買意欲を刺激するような瑞々しいものを指します。
たとえば、映像をみただけで料理の美味しさやにおい、出来立ての熱々感などを目の前で感じたように錯覚させられる動画のことを、「シズル感のある動画」と呼びます。
多くの飲食店は、店舗メニューなどに掲載する料理写真にシズル感を求めますが、実はかなり難しい撮影テクニックです。
そのためプロが撮影した写真・動画と比較すると、圧倒的な違いがあります。
プロに撮影を依頼するとその分コストがかかりますが、圧倒的シズル感のある動画によって集客効果が高まるケースは多々あるため、コストをかける価値があります。
なぜ今、飲食店動画が必要なのか
飲食店に動画を活用したマーケティングが求められている大きな理由が、「インバウンド需要の増加」です。
訪日外国人観光客数はコロナ禍で大きく落ち込みましたが、2023年の年間訪日外国人観光客数は2,500万人を突破し、2024年4月には304万人を記録し、2019年同月(コロナ禍前)以上の観光客数を記録しました(日本政府観光局の調査より)。
日本は今後さらなる観光大国として発展すると考えられており、訪日外国人観光客数に対して強くアプローチできるのが動画です。
たとえば、以下の動画は日本の飲食店動画を発信するYouTubeチャンネル「MOGUMOGU (おいしいエンタメ)」で再生回数の最も多い動画です。
コメント欄を見るとわかるとおり、ほとんどのコメントが外国人視聴者から寄せられています。
さらに、海外向けWebマーケティングや、インバウンド集客事業を行う株式会社LIFE PEPPERが行ったアンケート調査によれば、訪日外国人観光客を希望する理由として「食事」を挙げる人は2番目に多い結果となっています(観光経済新聞より)。
動画視聴やSNS利用が当たり前になった現代において、飲食店は動画を活用したマーケティングに早急に取り組むべきだと言えるでしょう。
動画で飲食店集客を加速させる3つのポイント
それでは、動画で飲食店集客を加速させる3つのポイントをご紹介します。
ポイント1. シズル感のある動画制作を依頼する
シズル感のある動画を制作するには下記を意識することが大切です。
- 適度な接写
- 適切な機材
- 動きのある描写
シズル感のある動画を制作するためには、料理のツヤなどを表現するために適度な接写が必要ですが、このバランスが非常に重要です。
これはプロカメラマンの感覚・ノウハウなどが必要になります。
また、機材についても適切なものを使わなければ十分に美味しそうなシズル感のある動画は制作できません。
したがって、前述のようにシズル感のある動画を制作するためには、プロに依頼するのが最もコストパフォーマンスの高い選択です。
ちなみに動画制作の費用相場は、30秒間の動画を制作すると仮定すると50,000〜150,000ほどです。
これは制作会社が企画・構成から参画するかどうかや、使用する撮影機材などによって変動します。
高額なように思えますが一度制作した動画は何度でも活用でき、高い集客効果を発揮してくれます。
ポイント2. Instagramで定期的に動画を発信する
実際に飲食店集客を加速させるためには、制作した動画をSNSで発信する必要があります。
とくにおすすめのSNSが「Instagram(インスタグラム)」です。
<Instagramの基本情報>
- 世界で月間20億ユーザーが利用
- 日本で月間5,545万ユーザーが利用
- 男女比 42.3%:54.8
- 10代・20代の利用者が多い
- 写真・動画を中心としたコミュニケーション
Instagramは日本に限らず世界でもユーザー数が多く、写真・動画を中心としたコミュニケーションが取れることから飲食店集客におすすめのSNSです。
Instagramでシズル感のある動画を定期的に発信すれば、フォロワー数は着実に増え、飲食店集客を加速させる大きな要因になります。
というのも、SNSのフォロワー数が少ない状態でも質の高い写真・動画は一気に拡散され、それによりフォロワーを急速に獲得できる事例が少なくありません。
長期目線での運用が基本であるSNSですが、質が高くシズル感のある動画を発信すれば短期的な集客効果も期待できます。
<出典>
- Most popular social networks worldwide as of January 2024, ranked by number of monthly active users|statista
- Leading countries based on Instagram audience size as of January 2024|statista
- 令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省
ポイント3. 外国人観光客向けにも発信する
外国人観光客が訪れる観光地といえば東京・京都などのイメージが強いですが、近年ではローカルスポットを楽しむ外国人観光客が急増しています。
たとえば2023年1月に盛岡がニューヨーク・タイムズ紙に紹介されたことで、海外メディアで特集を組まれるほど外国人観光客から人気のスポットに変わっています。
観光大国としてさらなる成長を遂げている日本は、各地に見どころがあるためローカルスポットを楽しみたい「旅好き」の外国人観光客が日本各地を訪れているのです。
そのため、「うちの飲食店は外国人観光客が少ない」という場合でも外国人観光客向けにSNSで積極的に情報発信するのがおすすめです。
たとえばシズル感のある動画を発信する際に日本語だけでなく英語でも発信すれば、それだけで外国人ユーザーからの注目が集まります。
外国人ユーザーからコメントが寄せられた場合は簡単な英語で返信をすれば、ユーザーとのコミュニケーションも図れます。
日本の飲食店にとって外国人観光客を対象としたマーケティングは、今や欠かせない施策です。
「外国人観光客が増えてから」ではなく、現時点で外国人観光客向けのマーケティングを始めることが競合店舗に勝てる戦略となります。
まとめ
この記事では、動画を活用した飲食店集客で欠かせない「シズル感のある動画」を活用するポイントをご紹介しました。
シズル感のある動画を制作した際は、日本人ユーザーだけでなく外国人ユーザーにも向けた情報発信をぜひ意識してみてください。
将来のインバウンド需要拡大を見据えた動画マーケティングを実施することが、今の飲食店に求められる施策の一つです。